貯金しておけば安全だよね?
投資なんて怖いからだめ!
投資をされたことがない場合、貯金と投資のバランスを考えたことがある方は少ないかもしれません。
でも、友達が投資を始めたって話も聞くし、ちょっと気になる。
始めてみようかなと迷っているあなたは、ぜひこのバランスについて一緒に考えてみませんか?
貯金より、投資をするほうがえらいの!?

あなたは、投資をしていますか?
それとも、投資をしている人はなんだかすごい!って、思いますか?
難しくて投資なんてわからないし…という場合もありますね。
まず、貯金と投資、どちらかが絶対に良いという「正解」はありません。
貯金はお金の元本(もともとの金額)が減ることはないけれど、大きくは増えません。
投資は、大きく増える可能性もありますが、そのぶん大きく減る可能性もあります。
だから、そのご家庭の状況によって、二つのバランスを取っていくことが必要です。
投資に積極的だけど、まずは生活を守ることが大事。

先日お話を伺った30代のYさん。
お子さんが2歳と小さいので、専業主婦です。
お子さんが小学校に入ったら、少し働こうと思っています。
旦那さんは自営業で、収入が月によってバラバラです。
今はコロナでお店の経営も少し悪い状態。
資産運用も考えたいというお話でした。
月々の収入と支出は、プラスの時もマイナスの時もあります。
うーん、資産運用を行うとなるとちょっと不安かな?
そう思って、貯金の額を聞いてみました。
貯金は150万円くらいはできました!
なるほど。
頑張って貯めましたね!
では、もう少し待ちましょうか。
どうして?と不思議そうな顔のYさん。
そこで、生活を守ることについて説明をしました。
生活を守るお金「生活防衛資金」とは?

生活を守るお金と言いましたが、一般的には「生活防衛資金(せいかつぼうえいしきん)」と言われることが多いようです。
防衛資金となると、なんだか強そうですね。
でも、中身はなんてことはありません。
突然収入がなくなってしまった場合に、安心できるだけのお金は取っておきましょう。
ということです。
急な病気や事故、今回のコロナでの自粛など、自分ではどうしようもない状況の時にしばらくの間暮らせる生活費があれば、安心ですよね。
逆に、この生活防衛資金がなかったら、お金の不安ばかりが襲ってくるのではないでしょうか。
いつでも好きな時に利用できるお金を準備しておくことで、守備をかためます。
ゲームはリセットできますが、人生はリセットするわけにはいきません。
まずは守りを強くすることが安心を強くすると、私は考えています。
生活防衛資金は、生活費の1年分から1年半分を目標にしましょう

一般的には、生活費の3か月から半年程度は生活防衛資金を用意しましょうと言われています。
ですが、私はそれよりも少し多めに用意していたほうが良いと考えています。
- 会社員や公務員の方であれば、1年分
- 自営業の方であれば、1年半分
これが、私がおすすめしている金額です。
なぜ多めに用意しておいたほうが良いと考えているかというと、お金が大きく減ることがストレスになる場合があるからです。
思いのほか病気が長引いてしまったり、一時的な収入の減少かと思っていたら、そのままになってしまうなど、思っていたよりも長引くことがあります。
長引いてもまだ貯金は残っているという状態にしておくことが、気兼ねなく生活できることになります。
また、「少し損しても貯金があるから大丈夫」と、投資という攻めの資産形成に対しても積極的になれるでしょう。
ポイントなのは、「年収」ではなく「生活費」で考えることです。
生活費が15万円であれば、生活防衛資金は以下のようになります。
会社員(公務員) 15万円×12か月=180万円
自営業 15万円×18か月=270万円
自営業の方がより多くの生活防衛資金を用意しておく必要がある理由は、保険制度が違うからです。
会社員や公務員の方は、傷病手当などの休職になってしまった場合の給付がありますが、自営業の方が加入している国民健康保険にはありません(正確には任意の給付となります)。
収入が一気に途絶えてしまう可能性がある人ほど、お金は残しておく必要があります。
今回のご家庭は、月々の生活費が20万円ということだったため、360万円程度は貯金しておくと安心ですよ、とお話しました。
貯まるまで待てないときは、並行して小額投資を行ってもOK

貯金額のお話をYさんにしたところ、ちょっと不満顔です。
360万円貯まるまでは時間がかかりそうだし、今投資にやる気になっているからやってみたいな…。
なるほど、確かにやる気があるときにスタートするのは良いことですね。
貯まるのを待っている間にやる気がなくなってしまうかもしれませんし。
ということで今回は、収入と支出のバランスを取り貯蓄額を上げることと、小額で投資をスタートしてみるという提案で落ち着きました。
投資をするにも、現在の貯金からお金を出すのはリスクが高いので、家計を改善して今後貯まるお金で考えていくことにします。
もちろん、スタート前には勉強が必要です。
メリットやデメリットをきちんと理解することで、大きな損をするリスクを下げることができます。
目標額までしっかり貯金ができたら本格的にスタートしますが、それまでに小額で投資をしている経験が、より活きてくることになるでしょう。
最後は「楽しみになってきました!」と笑顔になってくださったYさん。
積極的なお考えなので、ご自身が許せるマイナスをしっかり検討して、資産をつくってほしいなと思います。
まとめ 貯金あってこその投資ですね
ここのところ、本当に投資の話題がテレビでも増えたなと感じています。
それだけ宣伝されていれば、やってみたくなるのも当たり前ですよね。
ですが、貯金が悪い、投資が良いという単純な話ではありません。
生活防衛資金というあなたと家族を守るお金があってこその、攻めの投資です。
私のお勧めする生活防衛資金は少し多めですが、ご家庭の状況によって金額は変わってきます。
やみくもにリスクをとるのではなく、守りと攻めのバランスを大切にして楽しい生活を送りましょうね。