いざ退職となったときに、お金で損しないタイミングってあるのかな?
年末に退職すると損って聞いたことがあるんだけれど、なんで?
退職について考えていると、こういった疑問が浮かぶことがある人もいらっしゃると思います。
私のところにも先日ちょうどこのような質問があったため、今回は年末に退職する時のお金の疑問というタイトルにしました。
先に結論から言うと、年末に退職しても特に損にはならないと私は考えています。
損(得)になるから…という理由で退職日を決めるのも難しいところはあるでしょうし、何を損(得)というかは難しいところがありますからね。
タイミングをはかっていてチャンスを逃した!という機会損失があったら、そちらの方が残念です。
ただ、退職する際に気にしておいてほしい点はあります。
そこを気を付けておけば、少なくともそんな気持ちにはならずに済むのかなと考えました。
いつのタイミングで退職にしようかなと考えている人が、決めるための判断材料になればいいなと思います。
年末、と区切ってはいますが、基本的にはどこで退職しても同じような点を気にしてもらえば問題ないかなと思います。
さて、気にしてほしいのは以下の3点です。
- 賞与(ボーナス)
- 保険・年金
- 税金
それぞれ詳しく解説していきますね。
ちなみに、もう今すぐ辞めたい!という場合でも、2の保険や年金のことは少し調べてからの方が心の安心につながるかなと思います。
どうしても無理というときには、迷わず辞めましょう。自分第一に。
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退職時に損しないために気にすることその1|賞与(ボーナス)
最初に気にしておきたいところは、賞与(ボーナス)です。
賞与がある会社では、一般的に夏(6~7月)と冬(12月)に賞与をもらうかと思います。
賞与をもらうための基準の日よりも前に退職した場合は、その期間に働いていても賞与がもらえません。
退職予定日が基準日付近であれば、賞与をもらった上で退職したほうが金額的に得ですよね。
自己都合の場合ですと、雇用保険からの失業手当も給付制限期間が生じます。
確保できる収入は、もらさず確保しておきましょう。
退職の話を先にすると、ボーナスをもらう前に退職日を設定されてしまう!というお話もあるようなので、そこは交渉次第になってしまうのかなと思います。
退職時に損しないために気にすることその2|保険と年金
退職時に保険の何を気にするの?と感じる方もいらっしゃると思います。
気にしてほしいのは今入っている保険ではなく、今後何の保険に入るのかということです。
例えば、会社員で社会保険などに入っている方が退職する場合、次の保険は以下の3通りです。
- 社会保険本人(転職などで退職した次の日から社会保険に入るタイプ)
- 任意継続(現在の保険証の資格を継続するタイプ)
- 国民健康保険(フリーランスになる、一度無職になり期間をあけて転職するタイプ)
- 社会保険扶養(社会保険に入っている家族の扶養として申請してもらうタイプ)
社会保険の本人になる場合は、新しい会社で手続きをしてもらえますし、特に気にすることはありません。
任意継続の場合は、2年間は継続することができます。
ただし、厚生年金は任意継続がありませんので、国民年金の手続きを忘れずに行いましょう。
国民健康保険に加入する時は、退職日に注意が必要です。
国民健康保険は、退職日の翌日から加入することになります。
月末に退職したら、翌月からということです。
そして、保険料は月末時点で加入していた保険の側で保険料を払うことになります。
つまり、例えば12月28日で退職した場合、12月29日から国民健康保険加入、保険料も社会保険の方は払わずに国民健康保険側で払うことになります。
2重に払うということはありませんが、国民健康保険は前の年の所得で保険料を計算するため、退職した当初は社会保険料よりも高額になる可能性が高いです。
状況によっては、月末ピッタリまで籍を置いておき、次の月から保険を変えるほうが良いかもしれません。
昨年の収入状況、世帯の状況によっても国民健康保険料(税)は大きく変わります。
退職を検討しているうちに、お住まいの市区町村役場でおおよその金額を聞いてみると良いですね。
会社都合で辞める場合は、保険料が安くなる場合があります。
「非自発的失業者(ひ/じはつてき/しつぎょうしゃ)」と名前は長いんですが良い制度なので、該当する場合は利用してください。
国民健康保険と、合わせて国民年金の金額を確認して、今のお給料から引かれている社会保険料といくらくらい変わるのかを調べておくと安心です。
家族の社会保険の扶養に入る場合は、必ず家族の勤務先に扶養に入れるかどうか確認してもらいましょう。
合わせて、必要な書類を聞いておくことが必要です。
扶養で保険料がかからないと思っていたのに、扶養に入れる条件がそろっていなかった!ということもありますよ。
そうなると国民健康保険料と年金保険料がかかることになりますので、注意してください。
保険については、年末に退職をする場合にはもう一つ注意点があります。
それは「保険証の発行が遅くなる」ということです。
国民健康保険の場合は、お住まいの市町村役場で手続きをすることになりますが、12月29日から翌年の1月3日までは一般的にはお手続きができません。
社会保険の組合などは、もっとお休みが長い場合がありますね。
この間は手続きが進まないことになりますから、退職して保険証を返却してしまうと、手元に保険証がないため急病で病院などを利用した際は一度全額を支払わなければなりません。
(退職したのに保険証を使ってしまうのは不正受給になります。後日返金するよう通知が届きますので気をつけましょう)
以前勤めていた市役所でも、毎年ではないですが「年末年始に保険証がなくて100%支払ってきたんです…。」とがっくりした市民の方が窓口にいらっしゃいました。
最終的には3割負担になるように手続きがされるのですが、一度全額出費するという時点でかなりダメージになりますので、年末に退職される方は体調管理にくれぐれもご注意ください。
退職時に損しないために気にすることその3|税金
税金に関することは、損しないためというよりも楽できる、知っておけば安心できるといった内容です。
まず、年末調整をしてもらえるのかどうかです。
今の会社で年末調整をしてもらえれば、次の年に自分で確定申告をする必要がなくなります。
最近のサラリーマンの方の確定申告は、スマートフォンでもできるようになっているため
だいぶ簡単になったとは思いますが、それでも自分でやらなくて済むならいいですよね。
また、住民税をお給料から引かれていた場合は、本来今後のお給料で引かれる予定だった金額がどうなるのかも確認しておきましょう。
最後に支払われるお給料で全額引かれる場合と、後日お住まいの市区町村役場から支払いの通知が来る場合の2種類が考えられます。
最後に支払われるお給料から引かれる場合は、予想していた金額よりも収入が下がることが考えられますので、もしそうなっていたらやりくりをどうするか計画する必要があるかもしれません。
後日支払い通知が来るにしても、年末に辞める場合お給料から本来差し引きする予定だった1月~5月分が、基本的には1回でまとめて払うことになります。
1回あたりの支払金額が増えることになるのはほぼ間違いないので、辞めてからも税金はついてくると考えてください。
そして、一番注意しておかなければならないのが、今払っている住民税は今貰っているお給料から計算されたものではないということです。
住民税は、お給料からの天引きの場合、前の年の1月から12月までの収入などについて計算をして、
次の年の6月からその次の年の5月までの12回で支払いをします。
お給料から天引きできない場合は、通知が届いて現金や口座振替などで支払いますが、4回に分けて支払うのが一般的です。
支払う合計の金額は変わりませんが、天引きなら12回のところを4回で払いますから、負担は大きく感じますよね。
辞めるタイミングの収入についての税金は次の年にやってきて、さらに1回あたりの金額がとても大きいと、びっくりする方は多いのではないでしょうか。
仕組みがわかりづらいので毎年「なんで!?」と窓口に見える方が多かったので、せっかく読んでくださったあなたはぜひ覚えておいてください。
まとめ
今回は、退職時のお金の疑問として「いつ退職すれば損しないのか」について解説しました。
最低限ここを押さえておけば、損もしないし気持ち的に安心ではないかな?という点を3点ご紹介しました。
1つ目は賞与(ボーナス)です。もらえるものはもらいましょう。
2つ目は保険や年金です。退職日によって保険料をどこで払うかが変わります。また、必要な書類もきちんと確認してスムーズに手続きしましょう。
3つ目は税金です。年末調整可能か、住民税の今後の支払いはどうなるかなどはチェックしておきましょう。
今辞めるタイミングの収入についての住民税は、次の年に計算されるのであとから納税の通知が来ても慌てないよう心の準備をしておくとよいですね。
退職のタイミングを決めかねている場合には、参考にしていただけるかなと思います。